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TOPEC / 修了証書取得プログラム / 「米国判例に学ぶ英文契約と一般条項」講座U / 受講生の声

●  2015年7月11日(土)・25日(土)終了!

中央大学総合政策学部教授の平野晋先生にご講義頂く「米国判例」シリーズ第4弾「米国判例に学ぶ英文契約と一般条項講座」Uを終了致しました。
今回は「語義上の多義性」、「構文上の多義性」に焦点をあてながら判例を読み込んでいきました。英文契約のドラフティングを行う際には、複数の解釈の出来うる多義的な構成を避ける必要があります。起案した当事者に不利になる恐れがあるからです。1日目は「the amount paid and due」という文言の責任上限額の解釈や、「Parking area」 は「Parking spaces」 という意味を含むか、という問題点に注目しながら授業を展開しました。 また、1日目は、今回判例教材の提供を下さったウエストロー・ジャパン株式会社様より有料データベースでの判例の調べ方についてもご教授頂きました。

2日目は、「置く場所を間違えている修飾語」や「コンマの有無」によって契約の内容がいかに変わってしまうかについて一般家庭vs保険会社の問題から企業vs政府の問題まで幅広い内容の判例を読み込みました。
受講生の方々からは、英文契約において起こりうるリスクについて学習する良い機会になったとの声があがりました。


「米国判例に学ぶ英文契約と一般条項」講座U、第1日目 受講生の声

この講座はいつもテーマ設定が興味深く、実務能力の涵養にも役立つことから、毎回参加させて頂いています。今回は、一つの単語又は語句が複数の意味に解釈される場合の取扱いを2つの米国判例から学びました。

英文契約の起案においてはとにかく語義の明確さや解釈の明晰性が担保されることが非常に重要ですが、契約案件の担当弁護士や企業の法務担当者といえども神ならぬ身の上であり、しかも相手方と交渉をしているうちに文言が段々と玉虫色になっていく、即ち、立場により後でどうとでも解釈できるような曖昧な(ambiguous)な文言が多用されていくというのは、(残念ながら)起こりがちの現象です。しかしながら、万一紛争になった際の状況を頭に浮かべながら、どのような契約構成や言葉遣い、あるいはどのような交渉記録などを確保しておけば、後刻裁判所から自らに有利な解釈が「当事者間における合理的な意思解釈」として認定されるのか、そのあたりのせめぎ合いというか「一線」の感覚を実感として理解するには、正に当事者間における語義・解釈の曖昧さ(ambiguity)をめぐる争いを実際に見ていくに越したことはないことを、今回平野先生の熱意とスピード感あふれる講義から学ぶことができ、大きな収穫となりました。

具体的には、採り上げられた2つの判例を裁判官の発想を推測しながら詳細に読み込みつつ、今回テキストに指定された先生の『体系アメリカ契約法』の該当部分を参照しながら、@出来るだけ「当事者の意図・目的」を実現するように解釈する(352p)、A語句・文言の「通常の意味」として解釈する(361p)、B全体として解釈する(362p)、C一貫性が維持されるように解釈する(364p)、D起草者に不利に解釈される(382p、contra proferentem)といった契約解釈の準則・手法について、応用的な射程も視野に入れながらしっかりと理解できたことは、本当に勉強になったと思います。

なお、平野先生による講義の合間には、ウエストロー・ジャパン株式会社の上田氏による米国判例データベースの利用法解説セミナーがあり、システムの使い方に加え米国判例検索の勘所や体系性などについて噛み砕いて説明頂き、こちらも大変参考になりました。(「Court of Appeal」の和訳は「連邦高裁」ではなく「連邦控裁」であるべき、とのコメントには思わず頷きました。)

第2回目の講義も大変楽しみです。

大手飲料事業会社 法務担当ディレクター

今回のテーマでは、契約書の文言が「ambiguity」であったために訴訟になった判例を扱いました。「ambiguity」とは多義性の意味であり、一つの単語で二つの意味に解釈されることです。時に起案者に不利に解釈される可能性もあるため、契約起案においては大変重要な項目となります。

米国判例を読むだけでなく、そこから導き出される法律起案の原理原則である「plain meaning rule(明白な意味の準則)」「as a whole(契約を全体として解釈)」等を学ぶことで、起案の際に注意すべき点や、知らなければ不利になる点を意識することができました。契約起案のテクニック本では学ぶことのできない基本的な考え方を学ぶことができたので、非常に役立ちました。

導入部分において、アメリカ不法行為法は、州毎に異なる判例法を有するという特徴の説明から、アメリカ司法制度の簡単な説明がありました。また、判例を読むにあたり重要となるアメリカの訴訟手続きについて、単語の意味の解説を含め、非常に丁寧に講義頂きました。

講義内で使用される判例を事前に辞書を引きながら予習し、同時に配布された参考資料や、事前購入した「国際契約の起案学」「体系アメリカ契約法」(両著ともに平野晋氏)の該当箇所を予習することで、判例を読みこなしてから講義に参加しました。また、講義中は、板書を利用して講義が進行するため、時系列や事実関係についての不明点をしっかり解消できました。

事前の予習範囲が分かっており、またテキストも分かり易いため、予習をして講義に参加すれば、法学部生やこれから国際法務を学びたい人でも理解できる内容でした。もちろん、国際法務の第一線で活躍する人にとっても、実際の判例で争点となったポイントについて学ぶことは、みずからの起案や若手指導にも十分役立てる内容であると思います。

教育関係企業 担当者

「米国判例に学ぶ英文契約と一般条項」講座U、第2日目 受講生の声

前回の講義は主に「語義(単語)上の多義性」(semantic ambiguity)に関するものでしたが、今回はそれに続いて「構文(修飾句)の多義性」(syntactic ambiguity)について、2つの米国判例から学びました。

当たり前の話とはいえ、契約書である限り、文言の選定及び解釈は起案時も紛争解決時も文法的に厳密になされる必要があります。今回の講義において、どの語句がどの語句を修飾するのか、あるいはカンマの位置がどこにあるのか如何によってオセロ・ゲームのように訴訟の勝敗がひっくり返ってしまう様はある意味圧巻であり、ストーリーの面白さを感じながら読んでいくことができた点でも、今回採り上げられた2判例はいずれも非常に印象に残る判例でした。(更に、当事者間における合理的な意思解釈は、厳密な文理解釈のみならず他の事情によっても左右されるため、例えば「起草者に不利な推定」(contra proferentem)のみでバッサリ切るという裁判官の判断は時として行き過ぎであり、きちんとその両方を押さえて複数の解釈を許さない形に持っていくのが理想的であるという先生のコメントにもなるほどと思いました。)

結論としては、契約を起案して交渉する際には、やはり想像力をはたらかせて何が起こり得るリスクなのかを(自分一人ではなく)多くの目で認識し判断することの重要性ということが語句を選定し、契約文言を作成・検討する際の決め手であることを改めて学んだ次第です。

平野先生のこの講座は大変勉強になる点が多く、また学生時代に戻ったような気持ちになれるという点でも大いに気分転換(?)になるものでした。週末の土曜日、猛暑のなか体を動かすのもいいのですが、頭を動かしてみるのもまた愉しいことです。

大手飲料事業会社 法務担当ディレクター

授業風景

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