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看護英語セミナー レポート        開催日:2016/10/02(日)

10/2(日) に「看護英語セミナー〜『Nursing English in Action』の活用法〜」を開催し、29名の方々(看護師20名、助産師3名、保健師1名、放射線科技師1名、英語教員3名、学生1名)にご参加いただきました。
セミナーは3部構成で、第一部は佐久大学看護学部(基礎総合看護学領域)及び佐久大学学院(看護教育学部)で教鞭を取られている吉田文子教授(看護博士)に「看護師・看護学生に英語教育が必要な理由」というテーマで、第二部は日本・ニュージーランド・カンボジア、3カ国の看護資格を持ち、国際的に活躍されている森本博美さんに「英語が共通語」というテーマで、それぞれご講演いただきました。第三部は、看護英語テキスト『Nursing English in Action』を使ったモデルレッスンを行いました。
第一部:「看護師・看護学生に英語教育が必要な理由」

 吉田教授は看護学教育を学ぶために2000年にニューヨーク大学に留学されました。その経験から、まず日米の教育の違いについて話されました。
アメリカの教育は
 @日本のような「努力すれば誰でもできるようになる」という考え方には立脚していない。生来の能力差を肯定し、努力してもできないものはできない、と考える。ならば、それをどう支援していくか。ここから、個々人に合わせた細かい指導・サポートが社会の仕組みとして根付いている。この「指導の個別化」が、多くの留学生を引き付ける。
 A日本でも散見され始めているが、「能動的学習 Active learning」が主体。教師の一方的な講義ではなく、教師と学生が一体で授業を進めて行く。これにより、卒業時の自己効力感(自分の持つ力を信じること)が非常に高い。
という点で優れており、感銘を受けたそうです。 また、異文化体験によって生じた心の葛藤(marginal man: 互いに異質な二つの社会・文化集団の境界に位置し、その両方の影響を受けながら、いずれにも完全に帰属できない人間)についてもお話くださいました。 そして、英語を学ぶということは文化を学ぶこと、英語を話す時は日本語脳から脱却し何度も繰り返して伝わるまで話すことが大切、と話されました。 教育学の観点からの日米の違いや、英語学習をする意義など、非常に興味深いお話で、受講生の方からも「看護と英語は今後どんどん切り離せないものになっていく」というご意見をいただきました。

第二部:「英語が共通語」

 森本さんは、本テキスト『Nursing English in Action』を作成したワーキンググループのメンバーであり、日本・ニュージーランドで臨床を経験され、現在カンボジアの日系クリニックで看護師として、また医療通訳士として八面六臂の活躍をされています。 カンボジアは、1970年代ポルポト政権下の自国民大虐殺により医療者のほとんどを失い、医療システムは崩壊。現在も医療水準はまだ低く、特に地方では祈祷師などの伝統医療に頼る人が多い。病院の衛生環境も整っておらず、国立病院でもネズミやゴキブリが出没するそうです。
現場では、のんびり且つ衝動的なカンボジア人気質に驚かされることが多く、「No problem!」で済まされてしまうというお話や、日本とは全く異なる献血の仕組み、銃や刃物でのケンカが原因で、救急に運び込まれてくることが日常茶飯事であることなど、びっくりするようなエピソードが満載でした。 そのような過酷な医療現場で、現地の方達とのやり取りはお互いの共通語である英語が中心になるため、看護師にとって英語力は不可欠!と、話されていました。実際に日本人スタッフの英語力向上のため、『Nursing English in Action』を大いに活用しているということで、ロールプレイの動画も紹介してくださいました。 アジア圏の医療現場の実態と、共通語である英語を話すことの重要性を楽しく話してくださり、受講生の方達からも刺激になったという感想を多くいただきました。

第三部:モデルレッスン

  当協会看護英語専任教師 看護師 小口順子先生によるモデルレッスンを行いました。 今回はChapter 7「 Vital Signs バイタルサイン」を取り上げました。看護師が患者の病状を把握するために最初に行うことがバイタルサインのチェックです。 受講生の皆様に、バイタルサインに関わる語彙・表現を学習してもらった後、看護師役・患者役になり、実際に英語でバイタルサインチェックのロールプレイに挑戦していただきました。
  実際の血圧計・パルスオキシメーターを使ってのロールプレイはできなかったのですが、普段説明していることは英語ではこんな風に言うのだ、ということが分かっていただけたと思います。看護師の皆様からは「実践的で良い」「すぐに使える」、英語教師の方からは「現場に即した英語なので学生のモチベーションが上がる」というご意見をいただきました。

 

IPECでは、今回のセミナーでいただいたご意見を参考に、今後も看護師を始めとする医療者の方々に、実践で使える英語を提供してまいります!