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TOPEC / 看護学校英語教育従事者向けセミナー /  レポート

看護学校英語教育従事者向けセミナー レポート        開催日:2015/11/16(月)

11/16(月)に「看護英語セミナー」を開催しました。当日は、18名:大学 看護学部 国際看護学 教員(2)、英語教員(2)、文部科学省医学教務課の方(3)、看護師(5)、医療機関の方(3)、語学教育機関(2)、その他1名が参加されました。
本セミナーは、今秋に発売されたIPECオリジナル看護英語テキスト『Nursing English in Action』を大学の看護学部や看護系専門学校において英語教育を担当している方、また看護英語にご興味にある方に紹介する目的で開かれました。第一部では、本テキストを監修いただいた名古屋大学大学院医学系研究科 基礎・臨床看護学講座 山内豊明教授(医学博士・看護学博士)に「看護学校における英語教育 なぜ英語教育が大切か」をご講演いただき、第二部では、当協会看護英語専任教師による本テキストを使ってのサンプルレッスンを行いました。
第一部では、本テキストを監修していただきました山内教授に「看護学校における英語教育 なぜ英語教育が大切か」をご講演いただきました。講演は大きく分けて「思考する」、「日本と英語圏の文化・価値観の相違」、そして「語学教育」に分かれていました。
「思考する」では、人が何かを考えるということは、概念化するということで、思考するということは、言葉を使ってやりとりするということであり、たとえば、認知症の人は、概念では分かっているけれど、それが言葉として出てこないそうです。また、日本語の文法は、起承転結で、大切なことは文の最後に持ってくるが、英語の場合は、序論本論結論とロジカルな考え方で、まず大切なことを最初に言うパラグラフライティングであるため、思考方法、言語体系が異なるそうです。それは地政学的な影響や文化の違いから生じるものであると説明していました。
次に、「日本と英語圏の文化・価値観の相違」では、自然との関わりやエネルギーの使い方の違いによって生じる日本と英語圏の文化や価値観の違いは、どちらが良いとか悪いのではなく、受け入れることからお互いを理解することが始まると語られていました。医療現場では、様々な経験を持った人々が共同作業するので、英語という道具を使って互いの価値観を理解することが重要であると述べていました。英語のようにロジカルなものの考え方が生と死を扱う医療現場では必要であると語られていました。最後に、「語学教育」では、英語教育は、異文化コミュニケーションのトレーニングであり、英語は、異なった思考体系の人と出会ったとき、その人を理解するための道具であるため、英語教育は医療現場や看護教育の中で重要であるという言葉で講演は締めくくられました。
第二部では、IPEC看護英語専任教師、小口順子先生(看護師)とマーガレット先生(アメリカ 看護師)による看護英語テキスト『Nursing English in Action』を使ったサンプルレッスンを行いました。前半で本テキストの特徴や各Chapterの説明があり、後半は、本テキストのChapter 2からIPECで推奨するサンプルレッスンを行いました。Chapter 2は、看護英語を学んでいく上で基本となる体の部位の名称、痛みの言い方など重要なパートです。大学の看護学部や看護系専門学校の看護英語の授業で、教員がどのようにこのテキストを使って授業を進めていくかを提案する内容になっていて、さらに、各パートどのように教えていけば効果的なのかを解説しました。こちらのサンプルレッスンは、参加者の方に実際の授業を想定して学生役になってもらい、質問をしたらそれに応答をしてもらうというようにインタラクティブなものになっていました。
Vocabularyのパートでは、小口先生が「頭」と言ったら、参加者は「head」というように体の名称を英語でどのように言うのかを学んでいきました。また、テキストには載っていない体の部位も補足として説明していました。「尻」のことを日本人は「hip」という単語で憶えていることが多いけれど、医学的にはそれは腰周りのことで、英語では「buttocks」というと解説をしていて、参加者の方は日本語と英語で意味が違ってくることになるほどという表情をされていました。
Useful Expressionsのパートは、IPEC看護英語専任教師のマーガレット先生が「I have a fever.」と言ったら、全員でそれを繰り返すという、実際の授業を想定して行っていきました。次のListeningのパートでは、付属のCDを聞いて、その後、テキストにある問題に答えていただきました。参加者の方に解答をしていただき、その後、それぞれの単語について解説をしました。たとえば、「run down」という単語が聞き取れたけど、意味が分からないという方がいらっしゃったので、それは「倦怠感」のことですと説明をしていました。
また、Speakingのパートでは、まずは小口先生とマーガレット先生で見本をやってみせてから、参加者の中からボランティアを募り、2名の方に前に出てきてもらい、患者と看護師役になってもらって配布したスクリプトを読みながらロールプレイにご参加いただきました。このように参加者に実際に授業に参加してもらうことで、どのように教えていくかイメージが浮かびやすかったと思います。
Readingのパートは、主に宿題で和訳をしてきて授業のなかで、それぞれの単語の発音を学ぶとよいという提案がありました。
Writingのパートは各チャプターの最後に設けられていて、そのチャプターで学んだものが出てくるので、総復習として使えます。ここでも参加者に前にでてきてもらい、ホワイトボードに解答を書いてもらいました。
トータルで2時間半のセミナーはとても充実したものとなりました。
当日の参加者からは、「看護師の経験のある方から実際に「これはこのように使う」など教えていただくと説得力がありました。」や「丁寧にテキストを紹介していただけて良く分かりました。」という声が寄せられました。また、「編集の方針が看護師目線というところに感動しました。」や「ただ英語を話す、ということだけでなく、相手の文化で考えることの重要性を実感いたしました。」というご意見もありました。また、医療機関の方からは、本テキストは、実際の医療現場で十分活用できる内容で有益なものであるというコメントを多くいただきました。その他にも、これからIPECが提供する看護英語の教育について、どのようにすればより効果的なものになるかと考えさせられるご意見をいただきました。